
「また同じことで悩んでしまった」
「どうして私は変われないのだろう」
そんなふうに感じたことはないでしょうか。
人間関係で傷つく場面や、落ち込みやすいポイントは、よく振り返ってみると、どこか似ていることがあります。
頭では「もう気にしないようにしよう」と思っていても、気づけば同じようなことで心が揺れてしまう。
そのことに、さらに自分を責めてしまう――。
けれど、それは「意志が弱いから」でも、「努力が足りないから」でもありません。
私たちのこころには、それぞれに「感じ方」や「受け取り方のパターン」があります。
言いかえれば、それはひとつの「こころのクセ」のようなものです。
たとえば、
人のちょっとした表情や言葉を「否定された」と感じやすい方。
期待に応えられないと「自分には価値がない」と思いやすい方。
人に頼ることに強い不安を感じる方。
こうした反応は、その人がこれまで生きてきた中で、自然と身につけてきた大切な「こころの働き」でもあります。
つまり、それは単なる弱さではなく、これまでを生き抜いてきた中で形づくられた、その人なりの在り方なのです。
そのため、薬だけでこうした「クセ」が変わるわけではありません。
薬は、つらい症状を和らげたり、こころの余裕を取り戻したりするための大切な手段です。
ただ、それはあくまで「整える」ためのものです。
一方で、「なぜ自分はこう感じやすいのか」「どんなときにこころが揺れやすいのか」といったことを、少しずつ言葉にしていくことには、別の意味があります。
それは、自分自身のこころの動きを、少し距離をとって見つめることにつながります。
「また同じことをしてしまった」と責めるのではなく、
「こういうときに、私はこう感じやすいのだな」と気づいていくこと。
その小さな理解の積み重ねが、こころのあり方を少しずつ変えていきます。
変わる、というよりも、
「巻き込まれすぎなくなる」と言った方が近いかもしれません。
もしあなたが、「どうして自分はこうなんだろう」と感じているのなら、
その疑問は、とても大切な出発点です。
無理に変えようとしなくても大丈夫です。
まずは、そのこころの動きを一緒に見ていくことから始めていければと思います。




