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パーソナリティ障害・解離性障害

Personality Disorder

パーソナリティ障害・解離性障害|トモニこころのクリニック|東京都小平市の心療内科・精神科

パーソナリティ障害

パーソナリティ障害とは

パーソナリティとはなんでしょう。日本語に訳すと、人格です。性格という言い方をすることもあります。

人は生きているうえで、様々な困難に出会います。大人であれば、難なく対処できることも、子供の頃の自分では、対処に苦慮することは一般的です。その際に身につけた、困難への対処の仕方、もっといえば、不安への対処の仕方が、パーソナリティを形成します。つまり、パーソナリティは皆が持っている生きる上でのこころの癖のような態度であり、健康的な人はいるかもしれませんが、完璧に健康な人などはいないでしょう。なぜなら、家庭や職場などの現実社会は変化し、今までなんとか上手くやってきた対処法も通用しなくなるときが来るのは、自明だからです。これが、一時であれば、それはいわゆる挫折と呼ばれます。悩み、不安に圧倒され、引きこもったり、怒ったり、無視したりするものの、現実社会では通用せず、生きることが難しいと感じる状態が一時的であるものです。しかし、長い期間苦しむ人もあるでしょう。その人は、自分のこころのあり方に多くの無理を強いている人かもしれません。その結果、本人の苦しみはもちろん、周りも困ることが起きます。

パーソナリティ障害には、他の精神疾患を引き起こしがちです。合併したほかの精神疾患が前面に出ることが多いので、パーソナリティの障害は精神疾患の基礎にある病理だということができます。

パーソナリティ障害の原因

パーソナリティ障害の原因は複雑で、単一の原因はありません。ただ、こころを力動的なものとみることで、その原因を探ることはできます。生まれ持った気質は確かにあり、これは重要ですが、環境的要因も大きく影響します。幼少期の虐待やネグレクト、不安定な家庭環境、強いストレス体験などが影響することは想像に難くありませんが、傍(はた)から見て一般的に見える家庭環境であっても、情緒的交流の不十分さが心理的発達に影響を与えることもあります。結果、感情のコントロールの困難さから、良好な対人関係を築けず、パーソナリティ障害として、問題が発生すると考えられています。医師や心理士など専門家による適切な介入なしでは、その人が本来持つべき健康的なパーソナリティを回復することは難しいかもしれません。

パーソナリティ障害の治療

二次的に発生する精神症状は、それぞれに応じた薬物療法での治療をまず試みます。本質的な苦しみに対する治療方法は、精神療法(心理療法)になります。精神療法(心理療法)には様々なものがあります。認知行動療法は、感情に焦点を当てるのではなく、ストレスや不安などの不調の要因となる考えや行動を改善し、二次的な精神症状を緩和することを試みる精神療法です。一方、精神分析や精神分析的精神療法は、情緒(感情)に焦点を当てることで、無意識に自分はどのように感じたり、考えたりしているのかを探ります。そして、自分の思い癖、考え癖に本質的に気がつくことで、自分で自分の人生を取り戻すことができるようになることを目指します。

解離性障害

解離性障害とは、不安障害の一つとも、パーソナリティ障害の一つとも考えられます。心的外傷(トラウマ)や、十分に発達することができなかったこころの未熟さが原因となって、強い不安に対する心理的な防御反応として、意識、記憶、自己認識、感覚などの統合が崩れる精神疾患です。これにより、自分自身や現実感に関する混乱が生じ、日常生活に支障をきたします。主な症状として、記憶の喪失(解離性健忘)、別の人格が現れる(解離性同一症、いわゆる多重人格)、現実感の喪失(離人症)などがあります。原因としては、幼少期の虐待や重大なトラウマ、強い心理的ストレスが関与するとされています。解離は一種の心の防衛機能として働きますが、過度になると正常な生活が難しくなります。

解離性障害の原因

解離性障害の原因は、主に幼少期の心的外傷(トラウマ)や強い心理的ストレスに関連しています。特に、虐待(身体的、性的、心理的)、ネグレクト(放置)、家庭内暴力などの体験が大きな要因となります。幼少期に受けるこれらの経験は、未成熟なこころの発達に深刻な影響を及ぼし、自分自身や周囲の現実を切り離す「解離」という心理的な防衛機制を引き起こします。この防衛機制は、一時的に苦痛から逃れるための適応的な反応ですが、慢性的になると症状として固定化する可能性があります。また、遺伝的な脆弱性や個人の気質、感情を調整する能力の未熟さも関係しています。これらの要因が複雑に絡み合い、解離性障害を発症させると考えられています。

解離性障害の治療

解離性障害の治療は、患者が自分自身の記憶や感情、体験を統合し、日常生活を取り戻すことを目指します。主な治療法として、精神療法(心理療法)が中心となります。精神分析や精神分析的精神療法では、心理的に安全な環境を提供し、治療者との情緒的交流の中で、本人が自ら自分の感情やこころの体験を統合していくようになります。また、精神症状が強い場合には、不安や抑うつを和らげるための薬物療法(抗うつ薬や抗不安薬)が補助的に用いられることがあります。治療には時間がかかることが多く、信頼関係を築いた治療者との継続的な支援が重要です。

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